失意の10年と確信の1年

 

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月曜の朝に有休かましてドトールでのんびり新聞読む系男子

こんばんは。

いやー、やりました。

京都サンガF.C.ですが、ついにJ1昇格です。

ここ数年は、ファンであることを公言することに少々恥じらいが伴うほど何度も降格して、長年のJ2生活ではJ3に落ちそうにもなったこともありました。

ただ、今年はひと味もふた味も違いました。

(あっ、今日の投稿はとにかくサッカーの話です、ご了承を。サッカーに興味がなければ下のほうの日記まで飛んでいただければ…。)

 

 

開幕戦を振り返る記事でも書いていますが、今年はJ1行けると確信していた1年でした。

新しいサンガのスタイル

(このパラグラフはほんと飛ばしたほうが良いよ。)

ポイントは「できるだけ長い時間、相手のコートでプレーする」「とにかくチャンスをたくさん作る。」「常にボールが向かう先のエリアにおいて数的同数以上の人数をかける」という確率論的なサッカーを徹底していたことです。

大前提として、サッカーというのは、アディショナルタイムを除けば90分で必ず試合が終わります。そのなかで、より多く得点した方、より少ない失点で済ませたチームが勝利します。こうなってくると単純に、半分以上の時間、相手のコートでゲームができていれば勝てる確率は上がるだろうとか、相手より多くのチャンスメイクをすれば勝てるだろうとか、攻守において、ボールの向かう先の人数で優れば勝てるだろうとか──こういう確率を積み上げることが勝利の可能性を高めることになります。サッカーは、選手の能力とか抜きにして、組織としてこうすれば(これが達成できれば)確率は自ずと上がるだろうといった理屈が一定成立するスポーツであります。

勝利の確率を上げるため、サッカーを微分して、積分してく、という感じですね(?)。

うーん、言うは易し、というところですが。

ボールを持っているときは、とにかく左右と上下の揺さぶりはほどほどに、あまり時間をかけず、90分のなかでのチャンスメイク数を増やすため、チャレンジする意識を常にもって果敢にトライするアクション(パス、ドリブル)を続ける。特にボールより前のピッチを縦に5分割した最近流行の「ファイブレーン」に人を揃えるよう徹底し、5バックを敷いた相手にもジャブを打ち続ける、そして局面において良いユニット(ワンツーや三角形)を相手より早く作り、守備ブロックをブレイクしていく──というスタイルでした。

また、ボールを持っていないときは、とにかく相手がハーフウェーラインに来るまでは「獣のように」ボールにアプローチをかけます。特に、約束事というか、これは試合ごとに整理されていたであろう「狩り所となる相手選手」にボールが入れば、相手のパスの供給先に対してそれぞれ最寄りの選手が良い位置にポジショニングし、「パスを受けた相手選手がトラップしたときに顔を上げさせないほどの強度で」プレッシャーをかける→もし顔を上げずに一人目を剥がそうとすれば最寄りのもう一人の選手が「刺し手」となってボールを狩りに行く……という「超攻撃的な守備」をやり続けるという、並の精神力じゃ持たないようなスタイルで守備を構築しました(結果、リーグ最少失点を記録)。もちろん、あっさりかわされて軽く失点することも何度かありましたが、それはストロングポイントの裏返しとして、否定しないチームでした。

また、自陣に攻め込まれた際は4バックと5人の中盤を形成し、「遅攻では点を取らせない」という強固なブロックを構えました。当然、両サイドバックと、3トップの両翼は激しい上下運動を求められます。今年は何度、宮吉と松田天馬がサイドの低い位置まで相手を後ろから追いかけるのを見たことか…。そして「マイボールになる前から攻める準備をして」いざボールを取ったときには、必ず何人かはスプリントして「相手より早く切り替える」というアグレッシブなスタイルを継続しました。5人交代制だからこそ成り立ったスタイルかもしれません。

このあたりのところはFootball LABさんの記事を見ればなるほどな、というところかと思います。

失意の10年

サンガが最後にJ1にいたのは僕が大学2年生のときです。

学生映画を撮っていた関係で、ちょうど自分の作品にサッカーを観戦するシーンがあったので、こそこそっと試合中にカメラを回したりもしたのです。が、負けに負けていて、撮影した日もサンガのゴールを撮ることが出来ず、やむなく相手チームのゴールで主人公が喜ぶという屈辱の演出をしたことが印象に残っています。

今でこそ少しずつ「育成型」のチームになっていますが、当時は「市場価値の高い選手の寄せ集め」で、これじゃない感を強く抱いていました。

昨年は新スタジアムもできて「今年こそ」という機運でしたが、いまいち波に乗り切れず遂に失意の10年が完成しました。ただ、昨シーズンが終わったとき、曺 貴裁(チョウ・キジェ)氏の監督就任の報道があり、「これはきた──」と感じたのを覚えています。

ほんと開幕戦が終わっただけで、今年はきっとJ1いくと明言していましたよ、私は(毎年?)。

 

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小さな巨人、松田天馬キャプテン。
最終節に初めて生で観たけど、やっぱ動きのキレが他と比べて1.5倍速だった。
サンキュー天馬。

移籍してきてすぐキャプテンに就任した松田天馬。千葉戦のゴールが印象的でした。口数の少ないリーダーは理想です。このほかにも、イケメンレフティー武田将平や、天才肌の三沢直人、大物感しかない荻原拓也、ドリブルジャンキー白井康介など、粒の揃った陣容で素晴らしいサッカーをしてくれました。

そして、最終節にはやっと生観戦が叶ったわけです。

昇格が決まっていたから友人とリラックスして観ることができました。

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素晴らしいスタジアム。

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選手の声がよく聞こえるんだわ。

試合内容はまぁ悪くなくて、シュートも24本くらい打って圧倒はしていたんだけど、J2残留のために何としても負けられない、点を取られるわけにいかないという金沢の白い壁が最後まで高かったです。結果は0-0。

勝つ必要のない試合を観戦することは滅多になくて、そのためか寒さが余計に身に沁みて、観戦後はサポーターへの挨拶もスルーして迷わず風呂に行きました。

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銭湯大好きです。

おっさんになってきたからか、ふと風呂入ってリラックス(リセット)したくなることが多いです。リラックスというかリセットというか、再起動というか。

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紅葉も終わりかけ。日本人ばっかだろうけど訪客が増えてきた様子。

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懐かしのさいか亭。「うまいラーメン」というメニューがあって、それがうまいの。

パーテーション挟んで呑むのはやっぱ違うよなぁ。

──まぁとりあえず、サンガが昇格してほっとしてます。

俺も頑張らねばと、年末恒例のフットサルに向けて身体を絞りにかかってます。

サンキューサンガ。ということで、みなさん良い年末を……。