出発地でも目的地でもない場所

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いつかのKIX──

空港って、出発地でも目的地でもない。

もし人生がなんとなく退屈だったり停滞しているとすれば(出発地にも目的地にもなりえていないとすれば)、それは人生自体が空港的な場所(状態)にあると思えば良いと思うのです。

決して意味のない状態ではないと。

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出発地でも目的地でもないけど、そこにはドラマがあるじゃん、なんつって。

──さて、今年で31歳になった。

これまであまり飛行機には縁がなかった。

どうだろう、往復を1回としてカウントすれば10回には到底満たないくらいの回数だろうか。でも、飛行機は大好きである。いや「それゆえに──」かもしれない。

現代人の交通手段としては、車、電車、船、飛行機などがある。この4つのうち、まず大きく車とそれ以外は分けられるような気がする。

車は、自分でも運転する可能性が大いにある。私の場合は人の車に乗るよりも多くの時間を自分で運転している。

残すは電車、船、飛行機。

電車は、船、飛行機と異なるところが大きく一つあって、それは「場合によっては、徒歩で代替できる距離を異動する」ということだと思います。陸路だからね。こまめに駅があったりするし。

船と飛行機は、そのほとんどが、「2点の離れた地点を結ぶ交通手段」であります。なんだろう、旅感があるね?

残すところ船と飛行機の大きな違いとしては、その乗り物の動き方がポイントだと思ってる。(もちろん速さは言うまでもないことだけど)

船は、基本的にぬるぬると海上を進む「だけ」。

飛行機は、

  • 滑走路を動く場面
  • 離陸する場面
  • 上昇する場面
  • 旋回する場面
  • 航空する場面
  • 下降する場面
  • 着陸する場面

それぞれの動きにダイナミックな差異があります。この「上がって下がる感覚」や圧倒的な速度感は、強い刺激を伴っています。もちろん、日常的に飛行機に乗ってしまえば、それも大した感覚にはなり得ないのかもしれないけれど。

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とあるパイロットの書いたエッセイ。

あと、なんだかんだいって、どれだけの経済大国であったとしても「乗客の大半がビジネスマンだ」ってことはないと思うんです、飛行機って。

その乗客の多くは「非日常」「旅」「帰郷」「岐路(人生的な意味で)」……いろいろな1シーンとして、飛行機に乗ってる。

私が飛行機が好きな理由の一つとして、この「乗っている人たちそれぞれの今日一日が人生全体においてそれなりに重みのある一日となっている」(ような)空気感が漂っているから、というのがあるのよね。

基本的に人生は今日一日のことである、ってのがMarloweの基本テーゼですので、今日一日の重みをしっかりと感じて生きる生き様ってのは大好きです。自分においても他人においても。

飛行機に乗ると、その重みをみんなでどことなく共有できている(あるいは同じ境遇にいるようなシンパシーを感じる)気がするのです、上に書いたような刺激も相まって。……え、しない?

今日もし飛行機が落ちたら……とか考えるの割と好きだったりするし。

あーー、飛行機乗りたいなぁ。

パスポートがあと4年くらいで切れるので、どっか行くの目標にしてみるのも良いかもしれないな。