こんばんは。
花粉が舞ってきて完全にノックアウトされていた月初を乗り越え(生まれて初めて耳鼻科に行った)最近ずっと気になっていたある物を購入した。
結果、最高だった。
まずは上の寒桜の写真。当ブログを定期的に読んでいる方のうち、カメラに詳しい方ならこの写真がGRⅢxで撮られたものでないことは判るかもしれません。
──そう、新しいカメラを買いました。……いや、正しくは「新たに」カメラを買いました。このカメラが発売されたのは2012年3月、ちょうど11年前。とっくに型落ち。「新しいカメラ」ではない。そしてこのカメラ、キャッチコピーが最高にかっこよくて厨ニなの。これがずばり、
こんなん買うしか無いでしょう。中古カメラなのに最後はこのキャッチコピーで決断した。俺も地球の光すべて受けとめたい、と。
キャッチコピーだけで分かった人はかなりのキヤノン党ですね。そう、キヤノンEOS 5D Mark III。一昔前のフルサイズ一眼レフ機。昨今の主流となっているミラーレスではなく、一眼レフ。一眼レフで撮りたい、というのが最大の動機で、次点がフルサイズで撮りたい、というもの。一眼レフとミラーレスで何が違うの?というのは以下のキヤノンのページがわかりやすいので説明はサボる。
ジョウビタキという渡り鳥がいた。
この渡り鳥を(無色透明な何枚かのガラスとペンタプリズム越しに)そのまま(と言っていいでしょう)見ながら撮ることができるのが、一眼レフ。逆に、そのまま光学的に見ずに撮るのがミラーレス。見てるのはあくまでモニターの電子的な映像であって、本物ではない。色味も微妙に異なるだろうし、何ならタイムラグもあるかもしれない。
まぁとにかく早速撮りに行ったわけですが、眼前にある物をそのまま光学的に見ながら撮れることの気持ちよさがたまらなかった。ファインダーのなかを見せられないのが残念だけどこれはちょっとした感動ものだった。久しぶりに一眼レフのファインダーを覗いて、今まで失っていたものの存在を知ったというか。視野率100%というのも一つの大きなフィルターとなってこのカメラに行き着いてる。
もちろん構造的に、必然的にカメラは重くなるし、大きくなるしで、携帯性は悪い。出来上がる写真も、撮って確認するまでどんなものが出来るかわからない。でも、光学的にそのまま見てそのまま撮れることの快感って、至高じゃん。まさに地球の光を受けとめてる感じ。
そもそもなんで一眼レフが欲しくなったかって、一眼レフではないカメラを構えて写真を撮ろうとする瞬間、最近ではもっぱらGRⅢxだったけど、感じてたのは「『撮影』はできてるけど『体験』はできてないな」ってこと。
生で見るために、そこにいるんだから。カメラを構えているときも常に正真正銘の体験をしたいと。例えばオリンピックの100m走の決勝、もし現地にいたとして、ずっとスマホ構えて動画撮って、画面を見続けるのか。たぶんしない。構えながらも、肉眼で焼き付けたいというのが本来の衝動であって、画面だとテレビ鑑賞と変わらない。何度も言うけど、地球の光をそのまま受けとめようよ、って。
マップカメラの「良品」ランクで、シャッターユニットとメインダイヤルユニットの交換がされた玉。同じ良品ランクのなかでは高値なほうだったけど、後々メーカーサポートが切れて部品交換できなくなるくらいだったら、今の段階で触れる頻度の高い部分は刷新した玉が良いと考えた。
数日前までは同じくキヤノンの7D Mark Ⅱ(APS-Cセンサー。ちなみにこっちのキャッチコピーは『すべての一瞬が一新する。』)を検討してたけど、手にしたことのないフルサイズをチョイス。カメラに詳しくない人にとってみれば「フルサイズ」とは?というところだけど、これもキヤノンが書いてたから割愛。
もちろんAPS-Cといういわゆる「2番目にええやつ」でもいいんだけど、このあたりはもう自己満足の世界というか、正解のない世界なんですが、とりあえずいっちゃんええやつで残そうと、そういうことです。レンズの選択肢も多いし。当時は35万くらいしたものでいわゆるプロユースも可能なカメラ。今は中古で10万切ってる玉もある。そして何より、キャッチコピーがかっこいい。10万円以下のカメラで地球の光をすべて受けとめられるんだ。
ファインダーのなかで撮りたいものにピントがバチッと合って浮き上がる様はもはやファンタジー。私の一眼レフ使用歴で言えばペンタックスだけなので、キヤノンのAF合焦の速さは11年前のカメラとはいえ、個人的には技術的特異点、シンギュラリティと言っても過言ではない(ペンタックスごめん、最近も一眼レフ作っててくれててありがとう、いつか戻ると思う、たぶん)。シャッターボタンの軽快さと、少し大きめでキレのあるシャッター音で、自分の撮影技術が向上したと錯覚するほど。
望遠レンズも実は初めて。70〜100くらいがちょうどいい。このカメラとGRⅢxを2台持ちして歩いたけど、案外いける。GRⅢxの40と、70〜300という組み合わせ。大体撮れる。もっと広角となるとiPhoneで撮ってしまう。
黒つぶれせずにフェンスの錆を写してるのがまさにフルサイズって感じ。
キヤノンは初めてだったけど、買う前から何度も見てボタンや表記を見てると、手にする前から大体イメージは出来ていて、ろくに説明書を読まずとも楽しめた。このあたり自分もそれなりにカメラを操れる人間になってるんだと感じる。もちろんカメラ自体の操作性の良さというか、合理性の賜物でもあるけど。GRシリーズと同じく、操作系に熟成の感がある。右手の親指、人差し指、中指を動かして設定をいじりつつ、左手の同じ指でズームとフォーカスを。撮る以前に触ってるだけで気持ち良くて、場数をこなして手に馴染めばもっともっと軽く感じることでしょう。右肩のモニターの見易さも秀逸で、背面モニターは撮影時にはブラックアウトさせてる。ファインダー内にも情報があるから、覗きっぱなしで操作することも慣れれば当然可能。もう最高。(いきなりフルサイズ一眼レフを賛美するブログになってるけど、この日もポケットには当然GRがあって、ちゃんと活躍してた事実を記しておく。)
。
もうすっかり春に片足を突っ込んでいて、地球の光はどんどん彩りと輝きを増してくる。そのすべてを受けとめることはできずとも、その都度の光を噛み締めつつ4月の33歳を迎えよう。
。
ということで今回は終わり。今月の振り返りは半分くらい終わったようなものだけど、32歳の振り返りも含めて来週書こう。