今月はやっと「カメラのある生活」へ戻ってきました。
ということで、今回はGR3xについて書きます。もし万が一、購入に踏み切れない人がいた場合は思わず買いたくなるような、そんな投稿になればと思います。
──まず、私は買い物であまり失敗をしない(失敗と感じない?)ほうですが、このGR3xについては「GR3 GR3x 比較」などと何度も検索しました。とても悩んだからです。
そして、当初は以前持っていた無印GRと同じ28mmで良いだろうと思っていました。
ただ、最近は「40mm」がキテるんですね、カメラ好き界隈では有名ですが。
(今更の注釈)「28mm」や「40mm」というのは、カメラの画角の話です。
カメラ自体の違いはほとんどなくて、もっぱら画角の違いともいえるので、私はネット上に溢れる写真を浴びるように鑑賞しました。28mmで撮られた写真と40mmで撮られた写真を、GR3に限らずあらゆるカメラで撮られたものを、ひたすら見比べました。
──結果的に、どちらも素晴らしいなと思いました。
なんだそれという結論ですが、これはもう甲乙つけがたい良さが双方から感じられるのです。
これら2つの画角から1つを選択するブログなどを見ていると、ちらほら見かける意見がありました。
「28mmで撮った写真はトリミングすれば40mmの画角が得られるけど、逆はできない。」
そう、大は小を兼ねる、みたいなことです。
これを見て私は逆にGR3xに傾きました。「そんな理由を追い風にして28mmを選ぶべきじゃない。」「攻めなかったことをきっと後悔する。」などなど。
(そもそもGRを選ぶ人はちょっとひねくれていると思いますが。)
大体、大は小を兼ねるなんて、GRのコンセプトから外れると思うんです。
必要な機能を絞って絞って、贅肉を削ぎ落とした完全無二のボディであらゆるものを切り取る──それがGRではないかと。
ならいっそのこと、40mmを選択するほうが、よりGRっぽいのではないかと、そんな風に思えてきたのです。これが1つ目の理由。
広く撮りたいときって、そんなに急がないから、40mmの画角でも頑張って下がれば良いのです、自分の脚で。私はストイック感があって好きなスタイルだなと思います。
この写真なんか、6m幅の道路を挟んで、対面の建物に背を当てるようにして撮ってます。それくらい40mmは時として「狭い」です。
ただ、ちょっと細かい話ですが、上の京都駅の写真なんか特にそうなんですが、同じような写真を28mmで撮ると、パースが効きすぎて、リアルの物体と形が異なってくることがあります。もちろん、迫力は増しますが。
真っ直ぐのものを、真っ直ぐ撮る。パースをあまり効かせたくない。
これが40mmである2つ目の理由。
「回送」を英語にしなさい、って良い問題では。
28mmはそれなりに情報量が多くて、人や街や空の動きがたっぷり取り込める画角で、それでいて写真に疎外感がなくて。過去に2度GRを所有していた私としては「ストーリー」が撮れる画角だと感じています。
それに対して40mmは、どうしても単一のテーマ、主題を収めることが多くなります。例えば上の3枚の写真では、それぞれ「これが撮りたかったんだろうな」と写真を観た誰もがわかるのではないでしょうか。伝えることが得意な画角とも言えるし、28mmの「ストーリー」に対して言うなら、40mmは「メッセージ」が撮れる画角だと感じます。
これはもちろん、鑑賞者としての自分にとってもそうで、あとから見返したときに当時の自分が何を「見て」「撮った」のか、それがわかりやすいのが40mmだと思うのです。
より狭くなるけど、そのときの風景を100%撮ることよりも、自分の気持ちがより大きく記録・表現できるほうが良いよなぁ、ということです。これが最後の理由。
このご時世だから、広角で撮れないときはひたすら離れれば良いわけです、ディスタンスディスタンス。
どうでしょうかね。40mmでもそれなりに広く撮れてると思いませんか。
まだまだモノにできていない画角だけど、有休でもとって街歩きたくさんしよう。散歩が捗る、というのはカメラライフの美徳ですね。
あまりテーブルフォトはしないけど、料理などを撮る時は28mmのGR3のほうが最大撮影倍率が高いので、その点は注意かな。
最後の最後で28mmにも未練を残させるという中途半端な投稿になってしまいましたがこの辺で。
──まぁ、身もふたもないことを言うと、両方買えばいいのです。
あるいは、後悔した場合は売ってもう一方を買っても、たぶんカメラやってない人にはわからないだろうし。
歴代のGRの見た目が似ているというのは、スタイルはもちろんのこと、世間のお小遣いおじさんたちへの隠れた配慮があるようなないような……。
いやはや、素晴らしいです。GR3だからといって3をカメラに書かないところが最高です。
結論としては、とにもかくにもありがとうGR。ということです。